【緊急声明】

2022年02月25日 00:00

              緊急声明

 ロシアはウクライナへの軍事攻撃を即時中止し、平和的交渉を

  平和と人の命の大切さを説く活動を長年続けてきた立場から、緊急に声明します。

  昨日(2月24日)ロシア軍がウクライナに軍事進攻し、「自衛」を名目にした攻撃を開始しました。

 すでに攻撃による死者や負傷者が多数出ていると報じられています。

 第二次大戦後の国際法違反のソ連・モンゴルへの強制移送・抑留によって6万人以上の日本軍捕虜・民間人が犠牲になりましたが、その重大な事件の体験者や遺族らとともに、真相究明や遺骨返還を求め続けてきた私たちは、今回のロシアの軍事力行使に深い憤りと、失望を表明します。

 いかなる理由があろうとも、軍事力に頼る解決、戦争は許されません。

 プーチン大統領に、直ちに攻撃を中止し、撤退を命じられるよう訴えます。核兵器の使用を示唆することなど言語道断です。

 76年前に日本はソ連と戦火を交えましたが、1956年「日ソ共同宣言」でともに平和的に問題を解決することを約束し、今日まで話し合いを重ねてきています。ソ連によって強制移送・抑留された被害の実態もいまだ解明されず、遺骨も半分以上がまだ旧ソ連の各地に残されたままですが、私たちは悔し涙を流しながらも、ともに平和と友好を求める道を歩んできました。育まれてきたささやかな信頼を裏切らないでいただきたい。

 歴史を振り返れば、残念ながら、国家も人間も、しばしば過ちを犯してきました。日本は前世紀に大きく国策を誤り、内外に多大な犠牲を強いてきました。私たちは、誤りの原因を検証し、反省する作業を続けています。今回のウクライナ侵攻は、かつての「関東軍」による策動と誤ちに酷似して見えます。誤ちはすみやかにただされ、修正されるべきと強く思います。

 どこの国や地域であれ、破壊が行われ、軍人であれ民間人であれ、死者・負傷者が出ること、そして捕虜が出ることも、遺族や遺骨が生まれることも耐えられないことです。人の道に反することであり、不正義です。

 私たちは、国ではなく民間ですが、人間として、市民として、ロシアがウクライナへの軍事侵攻をただちに中止し、平和的に交渉するよう求めます。

                      2022年2月25日

    シベリア抑留者支援・記録センター 代表世話人 有光 健