2024年度(第10回)「シベリア抑留記録・文化賞」が決定しました                  2024.11.8.

■石村博子著『脱露―シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』(KADOKAWA、2024年7月刊)

■カザフスタン・日本合作映画『阿彦哲郎物語―戦争の囚われ人』  

(製作=佐野伸寿他、監督=佐野伸寿他、脚本=佐野伸寿、2023年12月劇場公開)

カザフスタン・キルギス・日本合作映画『ちっちゃいサムライ―三浦正雄の子供時代』(製作・監督・脚本=佐野伸寿、2023年12月劇場公開)

■企画奨励賞 窪田由佳子さんと静岡の友人・支援者の皆さん


第10 回「シベリア抑留記録・文化賞」贈呈式&ピアノ演奏・映画上映会のご案内

 毎年シベリア抑留の記録や表現などに関わる分野で功績のあった方に贈る「シベリア抑留記録・文化賞」の今年度(第10回)の受賞作品・受賞者への贈呈式を下記のとおり行います。受賞者のスピーチ、演奏、映画上映も予定しています。どなたでもご参加いただけますので、お誘いあわせの上、ふるってご参加ください。(入場無料)

(日時)11月24日(日)13:30~14:00 贈呈式 (*13:00開場) 14:00~14:45 受賞者挨拶・ピアノ演奏  14:45~16:40 授賞映画『阿彦哲郎物語』(112分)上映(会場)千代田区立かがやきプラザ1F 「ひだまりホール」(千代田区九段南1-6-10 地下鉄東西・半蔵門・都営新宿線「九段下」4番出口から徒歩5分、九段会館プラザ隣り・九段坂病院隣)

                       

*Zoomでも中継します⇒URL https://us02web.zoom.us/j/5982358528(ミーティングID: 598 235 8528)

(出席予定者) (受賞者) 石村博子さん(『脱露』著者) 佐野伸寿さん(映画製作者・監督)  窪田由佳子さん(音楽家)  選考委員の方々

(連絡先) シベリア抑留者支援・記録センター+千代田‣人権ネットワーク Fax03-3237-0287 ☎080-5079-5461 Email:cfrtyo@gmail.com (担当:有光)

■「シベリア抑留記録・文化賞」とは■

  シベリア抑留に関する記録・表現活動を奨励するため、2015年に創設されました。対象はシベリア抑留を記録した作品・表現活動で、過去1年間に発表された作品などで、ジャンル・国籍・言語を問いません。今年の選考委員は、藤本和貴夫、下斗米伸夫、長縄光男、内海愛子、桜井均、井手裕彦、瀬口晴義、栗原俊雄の各氏。         

 これまでの受賞者は、(第1回)渡辺祥子、(第2回)上尾龍介、(第3回)奨励賞久保田桂子、功労賞田中猛、(第4回)四國五郎・光、(第5回)長勢了治、特別功労賞アレクセイ・A・キリチェンコ、(第6回)功労賞田中唯介、企画賞46,300人の抑留死亡者名簿リモート朗読プロジェクト、(第7回)功労賞荒木正則、奨励賞シベリア抑留体験を語る会・札幌、(第8回)竹原裕子、(第9回)金孝淳、井手裕彦、功労賞吉田欽哉、特別賞映画『ラーゲリより愛を込めて』製作委員会。

<第10回シベリア抑留記録・文化賞受賞者プロフィル>

【シベリア抑留記録・文化賞】

石村博子(いしむら・ひろこ)さん ノンフィクションライター <写真:新田樹氏撮影>  

 1951年4月1日、北海道室蘭市生まれ。法政大学卒業後、フリーライターとして各新聞・雑誌で活躍。サハリン残留邦人への関心から「NPO法人日本サハリン協会」の会員となり、シベリア民間人抑留者の存在を知る。協会保存の資料を基に調査・取材を積み重ね、約8年の歳月をかけて本書を書き上げた。著書:『たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く』(角川文庫)、『ピリカチカッポ(美しい鳥)知里幸恵と『アイヌ神謡集』』(岩波書店)、『孤高の名家朝吹家を生きる仏文学者・朝吹三吉の肖像』『3.11行方不明その後を生きる家族たち』(ともにKADOKAWA)、『ハルビン新宿物語加藤登紀子の母激動の半生記』(講談社)など。                                                                     

佐野伸寿(さの・しんじゅ)さん プロデューサー・脚本家・映画監督

 1965年4月22日生まれ。1994 年から在カザフスタン日本大使館に書記官として勤務。この頃から日本人抑留者問題を担当し、日本人抑留者墓地の問題や、帰国できなかった民間人抑留者の帰国支援を行う。また、プロデューサー・脚本家・映画監督として多数の映画を製作し、国際映画祭等で受賞。『ラストホリデー』(1996年、東京国際映画祭東京ゴールド賞、ロッテルダム国際映画祭グランプリ受賞)、『アクスアット』(1998年、ナント三大陸映画祭審査員特別賞)、『三人兄弟』(2000年、トリノ国際映画祭審査員特別賞、東京国際映画祭ベストアジアフィルム賞)、『歌って』(2002年、キノショック映画祭観客賞等)、『ウィグルから来た少年』(モントリオール映画祭公式招待)、『春、一番最初に降る雨』(2011年、ユーラシア映画祭グランプリ)、『父への電話』(2017年、オレンブルグ国際映画祭グランプリ)。

【同・企画奨励賞】

窪田由佳子(くぼた・ゆかこ)さん 音楽家

 1955年1月26日静岡市生まれ。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1981年~82年ドイツ、ケルンに留学。83~87年、バレエ伴奏ピアニストとして六本木スタジオ一番街等に所属。1992~2007年、常葉大学に非常勤講師として勤務。静岡市在住。静岡県文学連盟所属。現在、ピアノの指導の傍ら、演奏を交えた講演を行い、シベリア抑留を語り継ぐ活動を続けている。著書『シベリアのバイオリン―コムソモリスク第二収容所の奇跡』(2020)、絵本『シベリアのバイオリン―あなたに贈る物語』(2024)共に地湧社刊。

*10/24ピアノ演奏予定曲:ベートーヴェン作曲・ピアノソナタ「悲愴」作品、13第2楽章、望月たけ美作曲「シベリア幻想曲~赤いサラファンに寄せて~」、ショパン作曲「ノクターン遺作」嬰ハ短調

10/24上映予定映画

『阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人』(2022年/カザフスタン・日本/112分/カラー)

 第2次大戦後、樺太に取り残された阿彦哲郎は、いわれのない罪で逮捕される。スターリン政権下のソ連で、哲郎は史上最悪と名高いカザフスタンにある政治犯強制収容所へ送りこまれてしまう。家族と再会することだけを希望に、哲郎は過酷な環境の中で生き抜く。第2次大戦後、いわれのない罪でカザフスタンへ送られる中、生き延びた数少ない日本人、阿彦哲郎の半生を映画化。強制収容所へ送られた男が、家族との再会を希望に生き抜く様を描く。

監督は佐野伸寿、エルダル・カバーロフ、アリヤ・ウバリジャノバ。主演はキックボクサーの小笠原瑛作。共演はスルム・カシュカバエフ、アサナリ・アシモフら。https://ahiko-samurai.com/