三井厚生労働大臣に要望書を提出

2012年10月30日 00:07

 

  10月29日、シベリア立法推進会議・シベリア抑留者支援センターの世話人らが厚労省に三井辨雄大臣を訪ね、下記の要望書を提出しました。
 江藤文英(92歳)、岡野工治(85歳)、有光健(センター代表世話人)の3人のほかに富田武成蹊大学教授(シベリア抑留研究会世話人)、石毛えい子衆院議員(民主党「シベリア議連」会長代行)が同席、直接大臣に要望しました。
 ポイントは、(1)戦後強制抑留者関係の調査事業での民間団体との連携・協力の推進(2)国が主体となる追悼式典の開催――の2項目(*下記添付)。
三井厚労大臣に要望書を手渡す抑留経験者
 
                  <要 望 書>
  戦後強制抑留者問題の取組みの改善と強化を求める要望
 
厚生労働大臣 三井 辨雄 様
 
        シベリア立法推進会議    代表 猪熊 得郎
        シベリア抑留者支援センター 代表 有光  健
 
 2010年6月に議員立法で「戦後強制抑留者特別措置法」が制定されてから2ヶ年が経過しました。
 昨年8月に閣議決定された基本方針に基づいて、各施策の実現にご尽力いただき、また今年も8月23日には国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で挙行しました「シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」に小宮山洋子前厚生労働大臣がご参列の上、追悼の言葉を賜りましたことに心より感謝申し上げます。
 さて、特措法制定2年余を経ました戦後強制抑留者への措置に関して、要望いたします。(なお、一昨年8月には長妻大臣に、昨年8月には細川大臣に直接要望させていただきました。)
 
1.民間団体等の活用・連携について
昨年閣議決定された基本方針に基づいて戦後強制抑留者関係の施策が進められていますが、「民間団体等との連携・協力」が多く記されていたにもかかわらず、一部の調査事業の「民間企業」への下請化が進められただけで、「民間の知見」の活用が進んでいないとの印象を持ちます。
  役所で企画・立案した事業を民間企業に委託するのではなく、企画立案段階から専門的な研究者や知見を有する民間の関係者の参画を求め、広い視野から実態解明や調査事業の計画を策定するよう要望します。
 基本方針の4に定められている「関係国政府との間の既存の枠組みを最大限に活用しつつ、民間団体等の研究の促進に努める。」という課題がほとんど進展していないことも大変遺憾です。民間団体等の研究の促進に資する事業及び予算を策定されるよう強く要望します。
 
2.国が主体となる追悼式典を
  かねてより要望しているところですが、国によって動員され、旧ソ連によって強制抑留され、シベリア・モンゴルなどで亡くなった約6万人の追悼式典は、民間主催でなく政府主催によって行われるべきであると考えます。多額の予算を計上した豪華な式典を望むものでは決してありません。寒さと飢えと重労働で亡くなった国際人道法違反の被害者を弔う、心のこもったしめやかな集いこそふさわしいと考えますが、国に命じられて兵士となり、軍の指揮に従って、武装解除し、騙されてソ連に送られた捕虜および民間抑留者を追悼する主体的な責任は、遺族個人や民間ではなく、日本国にあります。もちろん私どももボランティアとして追悼事業を支え、進んで汗をかく所存ですが、まずは、国家がその歴史的、政治的な責任を果たすべきではないでしょうか? 政府はこれまでの対応の不十分を反省し、国民各層にも呼びかけて、民間任せではなく、主体的に追悼事業に取り組んでいただけますよう切に要望いたします。
  
  平均年齢が90歳に近づいている抑留被害当事者はどんどんこの世を去りつつあります。工程表を国民に明示して、その参加と協力を促しつつ、緊張感を持って、取組みを進めていただけるよう強く要望する次第です。